きょうは、「じぶんの実験」ではなく、わたし以外の「あの人の実験」についてご紹介させてくださいね。
ご紹介したいのは、埼玉県内でクッキー店を営む尾上由子さん。
実は彼女、この春の新たなチャレンジに向けて、着々と歩みを進めているのです。
インタビューでの出会い
昨年の2~9月、およそ7カ月にわたって、フリーライター・一田憲子さんのWEBサイト「外の音、内の香」にて、連載を担当していました。
わたしの企画は「はじめの一歩の踏み出し方」。
憧れの方々に、どうやって今の場所まで行き着いたのかをお聞きし、踏み出し方のヒントを探る連載でした。

そのインタビュイー3人目としてご登場いただいたのが、尾上さん。埼玉北部の北本市にあるクッキー専門店「クッキークル」の店主さんです。
さまざまな人気店とのコラボ、そしてイベントにも引っ張りだこの人気店です。

お店の前には、いつも行列!

実は尾上さん、お菓子作りは独学。そうして独立を成し遂げているのです。
その歩みも考え方も、とてもユニークでありながら、勇気を受け取れるエッセンスが満載。
詳しくはぜひインタビューをご覧ください!
■絶望を見逃さない。尾上由子さん vol.1
■幸せの正体を見つめれば、でこぼこ道も喜びに溢れた道のりになる。尾上由子さん vol.2
■「失敗」は、人生という物語の中のたった1ページ。 尾上由子さん vol.3
■「自分のため」の苦しみから、「人のため」の喜びへ 尾上由子さん vol.4

「学ぶと冷める」という名言が飛び出したvol.2。
「失敗の後も人生は地続き」という考え方にハッとさせられたvol.3。
読者の方からたくさんの反響をいただきました。
そっと教えてくれた、一つの「実験」

さて。
先ほどご紹介したインタビューvol.4では、尾上さんの現在の仕事観について迫っているのですが…最後にこんな野望をカミングアウトしてくれました。
実は・・・クルのクッキーを、災害に備えた “常備食”にしたいと思っているんです。
「自分のため」の苦しみから、「人のため」の喜びへ 尾上由子さん vol.4
工房をオープンした直後に東日本大震災がありましたが、
そういうときこそ自分のクッキーが一つの心の支えてあってほしいと思いながらも、
なにもできなかったことを、とてももどかしく思いました。
誰かが被災しているのに、そこまでお届けができない。
あるいは私自身が被災して、作れない。
―そういう非常時にも召し上がってもらえるように、
目指すは無添加で、長期保存できるようなクッキーを作って、
仕組みも含めて整えたいと試行錯誤し始めています
この目標は、当時ほんの身近な人にしかお話していなかったのだとか。
「初めて公に話すんです…」とドキドキしながらもキラキラした表情で語ってくれたあの瞬間は、まるで尾上さんの秘密の引き出しをそっと覗かせてもらったようで、今でもはっきり覚えています。

クルのクッキーは、娘が「ベロが天国に行っちゃった!」と評したほどに、優しくておいしい。
その確かな味はもちろん、クッキーを真ん中に置いて大切な人と過ごすその時間がとても幸せなことを、私自身、身をもって感じています。
防災というと、「ガマン」が当然で、「贅沢なんてもってのほか!」という価値観に縛られがちですよね・・・心細い時こそ、優しさやぬくもりに癒されることを誰もが知っているはずなのに。
そして、インタビューをお読みいただくと伝わると思うのですが、美大出身の尾上さんにとって、クッキーはまさに「表現」。絵筆を手に気持ちをキャンバスに写すのと、なんら変わりがないのです。
心弱った時に「何を伝えたい」のか、それを突き詰めた思いがみっしり詰まったクッキーは、単に「おなかを満たすもの」ではなく、きっと「安心と希望」を届けてくれる。
だからこそ、お話を聞かせていただいた昨年の4月から、この試みがいつか必ず形になることを願っていました。
「備えるクッキー」=「おともクッキー」がはじまる!

あれからおよそ1年近くたった今。
尾上さんはしっかりと一歩を積み重ねていらっしゃいました。
現在、クラウドファンディング受付中です。
■人気のクッキー屋さんが「防災用のおいしい・無添加・かわいいクッキー」を開発!災害時にもホッとできるクッキーをお届けしたい。
私ももちろん、支援しました!

だって、あのクッキーで備えられるだなんて幸せですもの!

ちなみに、今回のこの投稿は、尾上さんに依頼されたものでも何でもなく、私が勝手に書いています。(笑)
それほどに、応援したい試みであり、私自身もぜひ続けてほしいと思っているから。
そして何より、クルのクッキーのファンだから!
クラウドファンディングは2/8までとのこと。
ぜひ興味を持ってくださる方が少しでも増えますように。
そして、みなさんの「防災」や「お金の使い方」を考えるきっかけにもなりますように。