「振り返りを習慣にしたい」という思いで「自分軸手帳」を手にしてから1年。
「面倒」「できる気がしない」と思っていたのも今は昔…気づけば毎月の振り返りは一度も欠かすことなく継続。ちょっとした出来事も俯瞰して自分へのフィードバックを得ようという思考回路が太くなりました!
今回は、とあるきっかけで取り組んだ、2つの振り返り法の比較・考察をご紹介。
「どうやったらいいのか?」「この方法で本当にいいのか?」という迷いに対して、判断基準のヒントになるかもしれません!
この記事はこんな方におススメです
✓振り返りの仕方が分からない
✓どの振り返り法が自分に合っているかわからない
✓いま取り組んでいる振り返り法以外のフレームワークが気になる
振り返りのための2つのフレームワーク
突然「振り返ろう!」と思い立っても、果たしてどうしたらいいものか?
そんなかつての私のような人々のために、自分軸手帳では2つのフレームワーク(思考の枠組み)が提示されています。
●KPT法 | ●YWT法 |
---|---|
Y:やったこと(事実) | |
↓ | |
Keep:よかったこと、続けたいこと Problem:改善したいこと | W:わかったこと(学び) |
↓ | ↓ |
Try:次に向けて | T:次にやること(行動) |
「KPT」と「YWT」、どう使い分ける?
このいずれで振り返ってもOK!(あるいは他の方法でももちろん◎)なのですが…
昨日の朝、自分軸手帳部員さんのあるツイートを見かけました。
過去の経験と照らし合わせてみると、「あぁ~!たしかに!わかる~!!」と至極納得。が、その違いがうまいこと言語化できない・・・。
そこで、この日のランチタイムに開かれた部室(※)に参加し、「11月の振り返り」を「KPT」と「YWT」の両方で実践したうえでその違いを比較してみよう!と思い立ちました!
※「部室」とは:
有志の部員同士がカメラOFF&マイクミュートの状態でオンライン上でつながり、その気配を緩やかに感じながら30分間もくもくと各自手帳タイムを繰り広げる時間
YWTとKPTの違いとは!?
結果としては、開始数分で、不慣れなKPTでたちまち手が止まってしまった私。

いつもはYWT派なんです、わたし。
が、それを「なぜだろう?」と深掘りする方向に路線変更することで、2つの方法の特徴や違いが見えてきました!
Point1:テーマがはっきりしているか
「〇〇について、K(よかったこと、継続したいこと)とP(問題点、改善したいこと)は?」という問いが成り立つKPTに対して、YWTはその一歩手前の「まずはY(やったこと・事実)を思い出そう!」がスタート。
言い換えると、KPTはそもそも「考えたいものごとの対象」がハッキリしていないと、何についてK・Pを出したらいいのか?で迷子になりがちなんですよね。

先ほどご紹介したツイートは、まさにこのことを指摘しているんですね!
Point2:逆算か、積み上げか
Point1の言い換えかもしれませんが、「ゴール、達成状態」がはっきりしていることに対してはKPTは適していそう。
「ありたい状態」との距離を意識したうえで、何をKeepして、どんなProbremを改善して埋めていくのか、ということを洗い出す、いわば逆算型に近いイメージ。
「〇〇を見直したい」といった明確な課題感に対しては、とっても使いやすいフレーム。
対してYWTは「今」や「過去」を起点に思考を開始して、「”経験”を振り返り学びを得る」ので、積み上げ型の色が強い。

ちょうど最近読んだ本に「バックキャスティング」と「コネクティング・ザ・ドット」というキーワードが登場しましたが、前者=KPT、後者=YWTというイメージかしら。

Point3:「○×」で語り切れないグレーが存在するか
KPTでは「K=〇(評価)、P=×(改善)」のようなイメージを抱く人が多いでしょう。
極端に言えば、物事の中にある白黒を判定し洗い出しながら次につなげる。
一方でYWTの「W」は「わかったこと」であり、白・黒の間にあるグレーまでまるっと受け止めてくれる遊びがある。KかPかで語り切れない「自分の中の発見・着想」なども振り返りやすいんですよね。

私もYWTを進める中で、
まったく違うと思われた事象同士がある気付きをきっかけにリンクしたりすることがあります!
物事の側面って、「いい」か「悪い」か、「変えたいかどうか」だけではない。「私ってこういうところがあるんだ」というような気付きに対して、何らかの判断や評価を加えずそのままの状態で振り返ることが許される優しさがYWTにはあるのだなぁ!
Point4:意図していない出来事を振り返りの対象にするかどうか
その「発見・着想」にも通じますが…YWTは「事実」を起点にするので、「どんなことがあったっけ?」と振り返ってみると、当初全く意図していなかった出来事やささやかなことが浮上してくることがしばしば。
日常ににじみ出る様々な瞬間に自分のヒントを見出したいなら、YWTは多くの気づきを与えてくれるはず。
Point5:「みんなで」か「一人で」か
Point1~2で感じたと思いますが、KPTは比較的シャープに課題等が洗い出しやすい。
対してYWTは、ごく個人的な体験や、もっと曖昧な部分まで受け止めやすい。
ゆえに、例えば夫婦や家族で目線を合わせて何かを目指すときには、KPTの方が齟齬なく認識を揃えることができそう。
「自分軸手帳部」は、YWT法が多い!?
あくまでも個人的な印象ですが…自分軸手帳部の場合、振り返り法として「YWT」を採用している方が多い気がします。
今回2つのフレームワークを考察してみて、その理由が見えたかも。
部長のようこさんのこの言葉にあるように、自分軸手帳は「目標に向かって、ガンガン行こうぜ!!」というよりも、「自分に耳を澄ませてみよう」という手帳。

「ここではないどこかへ、どこでもドアでひとっとび!」ではなく、
「心地よさを自分の中に探索して、寄せていく」といういうイメージでしょうか。
ささやかなかけらも拾い集めながらチューニングを繰り返す→YWTが使いやすい、と感じる人が多いのかもしれません!
カスタマイズだってOK!
もちろん、「自分軸手帳使うなら、YWT推し!」というわけではありません!!
こんなKPT愛用者もいらっしゃる。
――つまりは、今回ご紹介したどちらにもあてはまらない「Y・KP・T」と言えるかも。
かくいう私も、「YWT」のY(やったこと)にD(出来事)を加えた「DY・W・T」で振り返るのがベストだとも感じることが多いです。

その実情は「事実」という括りとはいえ、
「Y=やったこと」と言われると能動的なイメージに縛られがちで、
偶発的なことや与えられたことを挙げにくいマインドブロックに陥りがちでして…!
フレームワークは、考えやすくするための単なる「枠組み」。自分の思考を深め、まとめ、展開するためには、人とは違う方法を適用したり、カスタマイズしたりするのも全く問題ありません!
おしまいに
この一年、YWTに寄りかかりながらもKPTを横目でチラチラ気にしていた私。
――が、今回改めて考察してみて、わかったのはこんなこと。
✓様々な興味を次々行動しながらその都度扉を開けていく
✓振り返ったら道ができている
というタイプの私には、概ねYWT(むしろDYWTにしたいけど)」がフィットしそう
強い意志を持って「これをやる!」と決めたことに対しては、KPTの方がアクセルを踏めそう
特徴や違いが言語化できたことで、使い分け(あるいは両立)の基準が持てた気がします。
これから振り返りの習慣化を目指す方、今の振り返り方法に迷いがある方のご参考になりますように!