手帳で(だいぶ)ドッシリ母ちゃんになれた話 ~行き渋りという「小1の壁」~

手帳活用Project

何をやったか?取り組みを総ざらい

・・・と、こう振り返ると進歩も見えて「めでたしめでたし!」と映るかもしれませんが、実はかなり壮絶な日々でした。

私自身「学校に何としても行かなくてはいけない!行くべきだ!!」という考えなわけではありません。今の時代、いろんな選択肢もありますし。

けれど、「普通」から外れた当事者になった時、戸惑う人の方が多いのではないでしょうか?「(世間的に)当たり前のことができていて初めて、その道から外れるという選択肢も選び取れる(的な発言ができる)」のだと思います。

よく言われました、「別に学校行かなくても大丈夫だし、自分はそう思ってる!」。
何とかなるよ!とも。
でもそのおうちは「行き渋り」とか経験してないんですよね…

モヤモヤしながら、戸惑いながら、どうやって「行き渋り」に向き合ったか。
次はそれをご紹介します。

STEP1:パターンを見つける

こういった類の話で何よりストレスなのは「不測の事態が続く」こと
常に予想外のことに立ちむかい、それに対応するのは、本当にストレスが大きいです。

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上位資質に「達成欲・活発性・規律性・目標志向」を持ち
自分で定めた方向に着々と近づきたい私としては特に…

そこで疲労困憊しながらダメ元で取り組んだのが、手帳に記録しながらパターンをつかむこと。

分かりやすいのは「曜日」や「1カ月の中のタイミング」「連休との関連性」などですが、それ以外にも「どんなルーティンがあるか」「この声掛けが逆効果」「本人のテンションが上がったきっかけ」など、気持ちを揺らすものの手がかりを書き留めて俯瞰していきました。
まさにかけらをかき集めるような地道な作業。

▼この記事で詳しく説明しています

STEP2:パターンを踏まえた行動指針を定める

日々振り回されること、対応に疲れた私は、「早くすんなり行けるようになる」のを目指すことを手放しつつ、だったら以下を目指したいと考えました。

・改善に時間かかると腹を括る
・行き渋りは想定内。ドーンと構えて穏やかな母親でいる
・私のやりたいこと(仕事やプライベート)は諦めきらない

そこで導き出したのが、「MY WORK RULE」

上記の記事で紹介したルールには「子どものコンディション」だけではなく「私の理想の仕事ペース」も反映されており、当時はここまで洗練(?)されていなかったのですが…この原型となる以下のようなエッセンスがSTEP1から生まれました。

・調子が崩れがちな曜日に仕事を詰め込まない
・朝イチのアポは9:30以降

 万が一行き渋っても、時間に追われて急かすことなく、気持ちに寄り添い対応できる
 最悪取材などキャンセルせざるを得ない展開になっても、先方に早めに連絡できる
・「働けるタイミングで働き尽くす」という考えを手放す
 週単位でご自愛のための時間を設けておいて、行き渋りが発生しても心をリセットできる余裕をもつ

STEP3:自立を促すときはゲーム感覚で

これは、思春期の行き渋りなどには適応できない方法とは思いますが、単純に「入学直後で不安」といったパターンではもしかしたら効く人がいるかも、ということで一応ご紹介。

未来像のすり合わせ

次女は納得できる目標が定まると勝手に達成を目指すタイプ。
なので、まずは「ドキドキの1年生をやさしく助けられるような、かっこいい2年生にならない?」「そのために、まず自分がルンルン学校に行けることが必要だし、そうなれたらうれしいよね」という未来像をすり合わせました。

ただ「行ける」ではなく、「ルンルン」がキーワード。

ステップのすり合わせ

続いて取り組んだのが、「残り時間」と「空間(学校までの道)」の可視化
カレンダーと地図を使って、残り日数から逆算しながら、何段階で/どのペースで同伴距離を縮めるかを娘と相談しました。

目標と地図も併せて掲示

最初の4日間は今まで通り→次の4日間は階段の踊り場まで→次の4日間は昇降口…
でもこれじゃ間に合わないかも。もう少し一気に距離を縮める日が必要だ!などと
客観的に本人が判断できていました。

途中チェックポイントとなる日付もいくつか設定。
たまに目標通りに進まない日があっても、チェックポイントの日にクリアできていればボーナスゲット!さらに、超ハイスピードで自立した場合にはスーパーボーナスももらえるという仕組みに。

ボーナス=モノを与えるのではなく、
家族で食事、お気に入りのカフェでおつかれさま会、など、
みんなで頑張りを労い合う時間・経験というもので設定。

と、これでも十分うまく機能していたのですが……始めてみたらスーパーボーナスめがけて猛スピードで独り立ちし始めた娘。うれしさ半分、「中だるみしそう」な懸念半分…。

ビンゴで「自分の気持ちややる気に合わせて目標を選ぶ」

そこで投入されたのが……ビンゴ!

小学校の高学年の委員さんが作った、挨拶を推奨するための「あいさつビンゴ」を見て閃きました。

ちょっと疲れたときに備えて、途中まで同伴という項目も。
気分に合わせて選べる項目を並べ、目標を都度選べるようにしました。

一直線にゴールを目指すのではなく、最初から行きつ戻りつする余白を用意しておく。
途中でちょっと甘えるタイミングが合っても、それが計画的なものであれば「失敗」ではなく「選択」になる。

これがかなりうまく機能して、基本はもう一人立ちしているような状態です。

とはいえ、一喜一憂しないと決めています!(笑)

大事にしたこと

本人の意思を尊重する

この時、受講していた「お母さんのための心理学WEB講座」にも非常に助けてもらいました。

また、出どころは忘れてしまいましたが(Twitterで流れてきたのかな???)こんなものも手帳に貼っていました。

様々な教えを踏まえて大切にしたことは「本人の意思を尊重する」こと。
学校に行くか行かないかは、私自身ではなく娘の人生の問題だということを何度も自分に言い聞かせました。

「1日過ごすのが無理そうなとき」は、「何時間目までいるか」を一旦決めさせて(それだけでもかなり時間がかかる)、先生に自ら伝えるようにする。

この選択肢をとっていいか、事前に先生とはすり合わせました。
指定の時間になって無理そうなら電話をもらう(が、結局電話が来ないことが多い(笑))。
とりあえず迎えに行ったものの、がんばれそうなので私はそのままとんぼ返り、ということも。

「行きたくない」の場合も、「行きたいと行きたくないのせめぎ合い」と「今日は行かない!(決めている)」の2種類があるので、前者なら時間を取って付き合う(→9割行く)。後者ならすんなり引いて休ませる。

「どっちでもいいよ」と言いながら、本人の決断をひっくり返すことはしない選択は尊重され、協力してもらえるという安心感と信頼貯金を生み出しながら、自信をつけていってほしいと思いました。

私自身の人生を大事にする

登校が不安定な時期に取材を入れる場合は、行き渋った場合に備えて、極力夫の仕事をリモートにしてもらうように。

また、ありがたいことにバイト先にも状況を共有して、かなり協力していただきました。
当時はシフトが2オペだったので、私のような事情に限らず、急な休みが発生してももう片方のスタッフが対応できる体制がそもそも整っていましたが、それでも予定外の行動はご迷惑をおかけするわけで。その点、会社自体も同僚も理解を示してくれる方ばかりだったのが恵まれていました。

今は1オペになっており、つい先日はついに子連れ出勤デビューしてしまいましたが、それも赦してくれてむしろ「大変な時にありがとう」とむすめにまでやさしく接してくれる方々、シフトを半分変わってくれる仲間に支えられています。

……子供のために何かを犠牲にしたというのは私も子供も幸せではないと思うので、このように「やりたいことをやり続けられる」方法や環境を選ぶ、というのも大切にしています。

ご迷惑をかける分、感謝を伝えることや、
違う部分で貢献することは自分なりに心がけているつもりです!

兄弟のケアを忘れない

長女に対して、日々話は聞いてケアはしていたものの、つい先日爆発したのが「当たり前のことができるようになった妹がなぜ褒められる」という不満。「登校に気が進まないことがあっても、自分がもし『休みたい』といったら芋づる式に妹も『行きたくない』と言いそうで、本音が言えない」という辛さ。

これまでも伝えていたつもりですが、「次女の達成は、長女の協力があってこそ」「次女を労う時には同じように長女の希望も聞いて労う」ことを大切にしようと心に決めました。

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